凪(なぎ)を求めて

居宅で介護サービスを受けている要介護者の家族によるブログ

訪問介護サービスを受け入れるという苦悩

世の中、好きこのんで介護を受けたい人など、誰もいないだろう。誰もが自分自身で食事やトイレや入浴をやりたいと願うはずだ。

しかし不幸にして、いわゆる要介護状態になってしまった時、世の中の多くの家庭では、介護サービスを受け入れざるを得なくなる。とくに訪問介護を受けるという場合、それまでの長年の家庭生活の中に、介護業者の人々が毎日入れ替わり立ち代わりやってくる、ということになる。

昨今、介護ヘルパーによる窃盗事件などが時たま報道されることがある。彼女たちの多くは善意で働いていると思いたいが、しかしその資格習得までのハードルは比較的低いとも聞く。言い方は悪いが、どこの馬の骨とも知れない人でも、人手不足の介護業界にあっては、ヘルパーになれるようである。今後さらにその傾向は進むだろう。

家の隅から隅まで、どこの馬の骨とも知れない人々に立ち入らせ、公開せねばならないという精神的負担は、おそらく介護事業者側の人々には想像がつかないのだろうと思う。

かといってそれを断ってしまっては、要介護者の日常生活が成立しないのも事実。信頼関係などとうてい無いまま、我々利用者側は日々、介護サービスを受け入れざるを得ないのである。

それは率直に言って「生活が踏みにじられる」という表現が最も実感に近い。